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統合失調症

統合失調症とは

統合失調症とは、思考や感情、行動を目的に向けてまとめていく能力、つまり統合する能力が低下する病気です。
統合失調症を発症すると、行動や人間関係など様々な影響が出るため、日々の生活に大きく支障をきたします。

統合失調症は、幻覚、妄想、脈絡のない行動などが見られるのが特徴です。
生涯のうちに統合失調症になる人は約1%と言われており、思いのほか身近な病気であるとも言えます。

治療の開始が早いほど症状が重くなりにくい傾向にあるため、早期発見と早期治療が大切です。

統合失調症の原因

統合失調症の正確な原因やそのメカニズムは現在のところ不明であり、そもそも単一の疾患であるかどうかすら定かではありません。
ですが、最新の研究では、何らかの遺伝的な脆弱性と環境的な負荷、とくに対人的な緊張が重なって発症すること言われています。特に再発に関しては、家族のなかで批判的な内容を強い口調で言い合う等により緊張を高め、再発率を上げると考えられています。

※統合失調症の発生リスクは、通常1%と言われているのに対して、両親や兄弟姉妹に統合失調症の病歴がある人の場合、発生リスクが約10%となっています。また、一卵性双生児の1人が統合失調症の場合、もう1人の発生リスクは約50%になっていることから、遺伝的な要因が関わっている可能性が高いと考えられています。

統合失調症の症状

統合失調症では、主に幻覚や妄想といった陽性症状、思考障害や感情の平板化などの陰性症状といった症状が現れます。
一部の症状だけが現れる場合もあれば、複数の症状が見られる場合もあります。

主な陽性症状

  • ・幻覚
  • 本来は存在しないものが見えたり、実在しない声や物音がきこえるなど、その存在を知覚してしまうのが幻覚です。
    統合失調症の場合、単に物音がするとか話し声が聞こえるということだけではなく、自分に対して何事かを語りかけているような感覚が伴います。
    幻覚の中でも最も多いのが、指示したり干渉する音や声が聞こえるといった、聴覚の幻覚である「幻聴」です。
    他にもお化けなどの恐ろしいイメージが目に浮かぶ「幻視」や、実在しないにおいや味を感じるといったこともあります。
  • ・妄想
  • 内容的にはあり得ないことを強く信じこむのが妄想です。
    単に信じている内容が奇異というだけではなく、その理由付けをする際の理屈にも飛躍があったり、現実と乖離しているにも関わらず強く確信し、他人の説明や説得も受け付けません。
    妄想の種類には様々で、何でも自分に関係があると思い込む「関係妄想」、周囲の人が自分を陥れようとしていると思い込む「被害妄想」、見張られていると思い込む「注察妄想」などがあります。
  • ・思考と行動の障害
  • 頭の中で考えをまとめて話したり、書いたりすることが困難になります。
    文法的に通じない発言をしたり、頻繁に筋道から脱線してしまい、会話することが非常に難しくなります。
    過度に子供じみていたり、目的にそぐわない行動から、簡単な日常生活をすることもできなくなったりします。

主な陰性症状

  • ・意欲の低下
  • 無気力から自分の身の回りのことにも気が回らなくなります。
  • ・感情の平板化
  • 感情が鈍麻し、喜怒哀楽といった感情を表すことが少なくなります。身振り手振りなどが見られなくなり、表情に動きが無くなります。
  • ・社交性の喪失
  • 他者との関わりに興味を失います。
    友人や家族とも接触を拒んで引きこもったりします。

統合失調症の治療

統合失調症の治療は経過によってことなりますが、急性期には抗精神病薬を主とした薬物療法が中心になります。
他に精神療法や社会的リハビリテーション、地域での支援活動も重要です。

薬物療法

妄想、幻覚、滅裂思考、過剰な興奮などの症状を軽減、あるいは消失させるのに抗精神病薬を用います。
不安や緊張をやわらげる抗不安薬や、抑うつ状態に対して抗うつ薬などを使用することもあります。

精神療法

カウンセリングにより、症状の悪化につながるストレスを減らしたり、周囲の人との関係を調整して生活環境を整えます。

リハビリテーション

作業療法、生活技能訓練(SST)、心理教育などを行います。職場訓練などのリハビリテーションと支援プログラムは、患者さんが社会の中で生きて行くために必要な技能を身に着けることを目的としています。

地域支援活動

統合失調症の人が可能な限り自力で生活できることを目的とした、地域支援サービスがあります。
自己管理が難しい患者さんのための監督者付きの共同住宅やグループホーム、訪問サービスがあります。

統合失調症患者に対する一般的な目標は、患者さんを社会復帰させることにあります。
重い症状が長期間に渡って続いている患者さんは、自立した生活を送ることができないことがあります。そのような場合、支援体制が整った安全な施設でのフルタイムのケアが必要になってきます。

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